人間数理研究分野

「数理モデル」、「数値計算」、「数理解析」をキーワードとして、自然科学分野や生命現象等を数理科学の視点から理解する方法論の確立を目指している。数理モデルは数式による現象の模倣であり、数値計算によって計算機上に現象を再現し,理論的に理解することによって現象に潜む本質的なメカニズムを知ることができる。さらに数理解析によって,実体のない普遍的数理構造を取り出すことも可能である。それ故に、普遍的数理構造は複数の異なる現象の本質的なメカニズムに共通の理解を与えることを可能としている。

我々は、諸分野との連携共同研究を多く行っている。その中でも、表皮バリア機能に対する数理モデル化は企業との共同研究であり、バリア機能の数理解析を通して、抗老化対策や皮膚疾患対策に応用できるのではないかと期待されている。さらに,生物学の数理解析では、卵割問題やアメーバ細胞運動、細胞極性の数理モデル化について研究をしている。また、大域的分岐構造の数値計算を用いた反応拡散系に対するパターン形成の数理解析や離散変分法を用いた液滴運動の数理解析を行っている。これらは数理モデルに対する数理解析手法の開発に繋がっており、重要なテーマの一つとなっている。

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近年の代表論文

  • Kobayashi, H. Kitahata, and M. Nagayama, “Model for calcium-mediated reduction of structural fluctuations in epidermis”, Physical Review E 92, 022709 (2015).
  • Nakata, M. Nagayama, H. Kitahata, N. J. Suematsu and T. Hasegawa, “Physicochemical design and analysis of self-propelled objects that are characteristically sensitive to interfacial environments, Physical Chemistry Chemical Physics, 7, 10326-10338 (2015).
  • Kobayashi, Y. Sanno, A. Sakai, Y. Sawabu, M. Tsutsumi, M. Goto, H. Kitahata, S. Nakata, J. Kumamoto, M. Denda and M. Nagayama, “Mathematical modeling of calcium waves induced by mechanical stimulation in keratinocytes” PLoS ONE 9(3), e92650. (2014).
  • Ayukawa, M. Akiyama, J.L. Mummery-Widmer, T. Stoeger, J. Sasaki, J.A. Knoblich, H. Senoo, T. Sasaki, and M. Yamazaki, Dachsous-Dependent Asymmetric Localization of Spiny-Legs Determines Planar Cell Polarity Orientation in Drosophila. Cell Reports, 8(2), 610 – 621 (2014).
  • Ginder, S. Omata and K. Svadlenka. “A variational method for multiphase volume-preserving interface motions” , Journal of Computational and Applied Mathematics, 257, 157–179 (2014).