2017.9.22更新

電子科学研究所附属社会創造数学研究センター 数学公開講座

拡がりゆく数学

第23回 JST 数学キャラバン in 北海道


 数学は中学から学び始めて高校,大学と学び続ける学問です.「数学は科学の基礎として重要であり,自然科学や社会の中で重要な位置を占めているのでしっかり勉強しましょう!」と言われますが,実際にどのように数学が自然科学や社会の中で使われているのか,役立っているのか知っている人は少ないように思われます.そこで,数学が社会の中でどのように使われているのか,役立っているのか知ってもらうためにこのシンポジウムを企画しました.講師陣は,諸分野との共同研究を目指している一流の数理科学者たちです.数学理論が社会の中でどのようなことに活用できるのか,また活用されているのかを講師陣がわかりやすく講義します.全てを理解する必要はありません.数学ってこんなことに使えるんだなと感じてくれればうれしいので,気楽な気持ちで参加してください.皆さんの参加をお待ちしています.

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日 時 : 2017年11月12日 (日) 13:00 〜 18:00 (受付開始12:30)
対 象 : 高校生および一般(定員120名)
場 所 : 北海道大学 学術交流会館(小講堂)
アクセス: JR札幌駅徒歩10分(正門から入ってすぐ左)
参加費: 無 料
申込について: 当日受付も行います.(準備の都合上,参加申し込みフォームより事前申し込みをして頂けると幸いです)参加申込みはこちらからお願いします.
問合せ: sympo2017[a]es.hokudai.ac.jp
主 催: 北海道大学 電子科学研究所 附属社会創造数学研究センター
共 催: 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST数学キャラバン)
道民カレッジ(連携講座)
後 援:

北海道教育委員会,北海道私立中学高等学校協会

   
プログラム
 12:30  受付開始
 13:00〜13:10  開会,挨拶
 13:15〜14:00 「不思議な“数”の演算と図形の関係」
  山口大学大学院創成科学研究科・准教授・JSTさきがけ 鍛冶 静雄
 14:15〜15:00

「0に一番近い整数の話」
  山形大学大学院理工学研究科・准教授・JSTさきがけ 富安 亮子

 15:15〜16:00

「数列から構造を見出す – でたらめと秩序のはざまで」
  JSTさきがけ研究者・北海道大学大学院理学研究院 中野 直人

 16:15〜17:00

「最強の数学:最も〇〇〇なものを探す方法」
  明治大学理工学部 ・教授 矢崎 成俊

 17:15〜17:50  質問コーナー
 17:50〜  閉会の挨拶

参加申込みはこちらからお願いします.
講演要旨
「不思議な“数”の演算と図形の関係」
  山口大学大学院創成科学研究科・准教授・JSTさきがけ 鍛冶 静雄

自然数,小数,有理数,実数,複素数…と多くの種類の数がありますが,一体その正体は何でしょう.様々な“数”に共通する一つの性質として,足し算や掛け算といった演算ができることが挙げられます.そしてこの性質こそが,数を便利な概念に,コンピューターを強力な道具に仕立て上げていると言えます.今回は,複素数やそれを拡張した数の演算を使って,図形を回転させたり変形させたりすることができるのを見ます.

「0に一番近い整数の話」
  山形大学大学院理工学研究科・准教授・JSTさきがけ 富安 亮子

最も0に近い整数は±1ですが,2次元版の整数ではどうでしょうか?それよりもっと高次元では?この問題が考えられた数学の背景と解くためのアプローチを紹介するとともに,私が携わっている数理結晶学(数学的手法開発を行う物質科学の一分野)や暗号理論などの応用分野で,この問題の理解がどのように利用されているかにも触れたいと思います.

「数列から構造を見出す – でたらめと秩序のはざまで」
  JSTさきがけ研究者・北海道大学大学院理学研究院 中野 直人

順序をつけて数を並べたものを数列といいます.漸化式で表される数列だと次にどんな数が並ぶかのルールがわかりますが,漸化式がわからない数列の場合はどうでしょうか.このルールが何かを推測するのが時系列解析という分野です.でたらめな数の並びに見える数列でも,見方を変えると構造(=秩序)が見出せてルールがわかったりします.でたらめの中に隠れた秩序を探し出し,数列の理解に役立てる方法を考えてみたいと思います.

「最強の数学:最も〇〇〇なものを探す方法」
  明治大学理工学部 ・教授 矢崎 成俊

数学は,最も高い低い,最も大きい小さい,最も速い遅い,とか,このまま続けていくと・・・,あるいは無限の彼方では・・・,などという,状況が極端な場合,あるいは状況を極端にした場合に,その威力を発揮しやすい.いわゆる「微分」という考えは,その究極の状況を得意とする強力なツールである.講演では,実験(実演)を交えつつ,微分を中心とした数学の魅力について紹介したい.



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