知能数理研究分野

生き物の賢さは一体どのようにして生み出されるのだろうか? 生命システム特有の情報処理のしくみは、古代ギリシャ時代から今日に至るまで、その時代の学問を総動員して連綿と問い直されてきた手強い課題といえる。これに取り組むことは、基礎学問として、人間そのものの理解を深める。生物らしい情報処理の方法を捉えることができれば、人の感性になじみの良いインターフェースをもった機械をつくるというイノベーションの可能性をもたらす。私たちは、単細胞生物を主な対象として、生物の情報処理能力の高さを実験により評価し、さらにそのしくみをダイナミクスの観点から解明しようとしている。単純な体制を活かして、モノの運動法則から生物行動へと切り込んでいる。いわば生命情報処理の原点への探検である。そのために、数理科学と情報科学、実験、フィールド観察を融合させて研究を展開している。

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近年の代表論文

  • 1) Qi Ma, A. Johansson, A. Tero, T. Nakagaki, D. J. T. Sumpter: “Current reinforced random walks for constructing transport network”, The Royal Soc. Interface, Vol. 10, 20120864 (2013)
  • 2) S. Kuroda, I. Kunita,Y. Tanaka, A. Ishiguro, R. Kobayashi, and T. Nakagaki : “Common mechanics of mode switching in locomotion of limbless and legged animals”, The Royal Soc. Interface, Vol. 11, 20140205 (2014)
  • 3) I. Kunita, K. Sato, Y. Tanaka, Y. Takikawa, H. Orihara, and T. Nakagaki: “Shear Banding in An F-actin Solution”, Physical Review Letters, Vol. 109, 248303 (2012)
  • 4) A. Tero, S. Takagi, T. Saigusa, K. Ito, D. P. Bebber, 4) M. D. Fricker, K. Yumiki, R. Kobayashi and T. Nakagaki : “Rules for biologically-inspired adaptive network design”, Science, 327 : 439-442 (2010)
  • 5) K.-I. Ueda, S. Takagi, Y. Nishiura, and T. Nakagaki : “Mathematical model for contemplative amoeboid locomotion”, Physical Review E, 83, 021916 (2011)

活動報告