日立北大ラボ「日立と一緒に計算機の概念を変えよう!」プロジェクトを開始

従来の計算機はCPUの動作クロック周波数の向上に支えられてきましたが、2000年
代前半に半導体プロセス微細化の鈍化に伴い、クロック周波数が頭打ちとなって
きています。最近、日立は最適化問題に特化した新概念のイジング計算機を開発
しました。本計算機は、従来の計算機のように逐次計算を実行するのではなく、
最適化問題を磁性体のスピンの振る舞い(磁性体の物理現象)に見立てて、その
物理現象の収束動作を実行・観測することで、短時間で最適な近似解をみつけま
す。例えば、物流コスト、除雪コストの最小化など身近な社会環境に内在する最
適化問題もこのイジング計算機で解決してくれます。

このイジング計算機をもっと発展させるためには、様々な学問分野に眠っている
(であろう)最適化問題を探して、その適用もひろく検討することが大事になり
ます。複雑化する社会環境に内在する最適化問題をイジング計算機で解決するた
めのアイデアを広く北大の様々な学部の学生さんから募集することになりました。

そこで、今回、理学部数学科、情報科学研究科で計3回日立の研究者によるセミナー
を開催することになりました。数学、情報科学以外の多くの分野(人文
・社会科学も含む)からも広くお集りいただければ幸いです。情報科学研究科で
のセミナーはハードウェアに関する説明も行います。

場所:理学部4 号館5 階4-501 室
1 月 10 日 ( 火 ) 10:00~12:00( 言語:日本語)
1 月 12 日 ( 木 ) 13:00~15:00( 言語:英語メイン)
内容:イジング計算機概要、イジング計算機に向けた数学的解法

場所:情報棟 5F 中会議室 (5-08)
1月20日 13:00-16:00( 言語:日本語)
内容:
13:00-13:15 イジング計算機概要
13:15-14:15 イジングハードウェア
14:15-14:30 休憩
14:30-16:00 イジング計算機に向けた数学的解法

講師(3名):
日立製作所 研究開発グループ 基礎研究センタ 竹本享史主任研究員
日立製作所 研究開発グループ 基礎研究センタ 寺本央客員主任研究員
日立製作所 研究開発グループ 基礎研究センタ 田中咲研究員

http://www.hokudai.ac.jp/events/170105_hitachirabo.pdf