生理学と協働した数理科学による皮膚疾患機構の解明
皮膚表面にある角層はバリア機能と呼ばれる生体にとって非常に重要な機能を担っています.多くの皮膚疾患ではこのバリア機能の低下が見られます.本研究では,数理科学と生理学の協働によって「生理学実験検証に耐えうる皮膚ダイナミクスモデル」を構築することによって,生理学実験と数理科学の両面から皮膚バリア機能の形成機構を解明し,バリア機能低下を伴う皮膚疾患の発症機構の解明とその病態改善法の提案を行います.

研究グループ
このプロジェクトは2つの研究グループから構成されています.
研究代表者グループ | 応用数学,物理学,化学,基礎医学 |
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共同研究グループ | 理学,分子生物学,医学 |
本プロジェクトでは次の研究項目について
研究代表者グループ
皮膚科学シミュレーターの構築
- @皮膚疾患・皮膚再生モデルの構築
- @-1 皮膚バリア機能数理モデルの構築
- ・角層形成の数理モデル
- @-2 創傷治癒モデルの構築
- ・基底細胞運動の数理モデル
- ・細胞破壊による基底細胞運動の実験
- A皮膚感覚機構モデルの構築
- B皮膚老化現象モデルの構築
数理解析
- @数値計算法の数値的正当化
- A計算結果の可視化
- B数理モデルに対する計算機援用解析
共同研究グループ
生理学,分子生物学から皮膚科学へのアプローチ
- @カルシウムイオン濃度変化を指標とする表皮細胞特性抽出の実験解析
- A細胞間脂質生成機構の実験解析
- B3次元培養皮膚におけるカルシウム動態観察法の開発
- C表皮角化細胞と神経系細胞の共培養系による表皮感覚機能の解明
- D皮膚老化現象の生理学実験からの解明
