動的数理モデリング研究分野の紹介

 

数理の目で現象を捕らえる

 

私たちの研究室では
数理モデリング,数値シミュレーション,数学解析
をキーワードとして、自然現象や生命現象等を数理科学の視点から理解するための方法論の確立を目指しています.
  数理モデルは数式による現象の模倣です.数値計算によって計算機上に現象を再現することによって現象に潜む本質的なメカニズムを知ることができます.さらに数学解析によって,実体のない普遍的数理構造を取り出すことが可能となります.普遍的数理構造は複数の異なる現象の本質的なメカニズムに共通の理解を与えることを可能とします.
  研究の性質上、我々の研究分野では様々な実験グループとの共同研究を行っています.その中でも,表皮バリア機能に対する数理モデル化は企業との共同研究であり,バリア機能の数理解析を通して、抗老化対策や皮膚疾患対策に応用できるのではないかと期待されています.さらに,生物学の数理解析では,卵割問題やアメーバ細胞運動,細胞極性の数理モデル化について研究をしています.それに加え,真性粘菌変形体の数理解析や4脚動物の歩容遷移現象に対する数理解析にも取り組んでいます.これらの研究は生物運動のロボット工学の分野への応用が大いに期待されています.
   また,大域的分岐構造の数値計算を用いた反応拡散系に対するパターン形成の数理解析や離散変分法を用いた液滴運動の数理解析を行っています.これらは数理モデルに対する数理解析手法の開発に繋がっており,重要なテーマの一つです.

 

私たちの研究室の主な研究テーマは以下の通りです.

 

● 自走物質に対する数理解析
● 表皮構造と皮膚疾患の数理解析
● 生物モデルの構築と数理解析
● 離散変分法を応用した自走運動の数理解析
● 自由境界値問題に対する数値計算
● 反応拡散系のパターンダイナミクス